ふとももめんたいこ

徒然なるままに

私は料理ができない

何なら料理できないことが自分のアイデンティティですらあったように思う。

友人たちとたこ焼きパーティーをしたときにはほとんどの工程をみんなに任せていた。生地をかき混ぜるのも積極的にはやろうとしなかった。さすがに焼くのはやったが、そこまで楽しいと感じなかった記憶がある。
またあるときには別の友人たちと手巻き寿司を作ったのだが、カニカマの袋の開け方すら知らなかったことを彼女たちにからかわれた(当然である)。
お誕生日様当日の友人宅にお邪魔したあげく、彼女におもてなしをしてもらったことだってある。
料理できないエピソードはまだまだたくさんあるが、ここら辺で止めておこう。
どのエピソードも今思えば最低でしかない。







しかし、今の私は違う。
今年に入ってから突然料理に目覚めたのである。

きっかけは大したものではない。
簡単に言ってしまうと、いつも食べている出来合いのご飯に飽きてしまった。

母がほとんど料理をしないため、我が家では小さい頃から食事は外食だったりコンビニ飯だったりと出来合いのものが主流だった。
料理上手なお母さんや食卓に並ぶできたての手料理に憧れた時期もあったが、これはこれで仕方がないと諦めていた(母の名誉のために言っておくと、母は料理はできる。ただしないだけで)。

20数年間ずっと外食に慣れていた私がなぜ急に飽きてしまったのかは分からない。友人からは「いつも食べているご飯に飽きるのは良くないことなんじゃないか」と指摘された。
言われてみれば、昨年末から家族の面倒を見るため家にいなければならない時間が増え、少しストレスが溜まっていたのかもしれない。無意識ではあるが、気分転換に何か新しいことを始めたかったのだろう。



そんなわけで私は料理を始めた。
人生においてほとんどキッチンに立ったことがなかった私にとっては大事件だ。

最初の頃はおよそ料理とはいえない簡単なものしか作っていなかった。鶏肉に市販のスパイスを混ぜて焼いて、残りの惣菜は出来合いのもので済ませる。そんな毎日。


料理を始めた日に作ったご飯の写真がこちら。
https://www.instagram.com/p/BvTlm8UAIWA/
過去のお昼ごはん。最初に作ったもの。シーズニングを使ったからそれなりのお味☺️.レンチンのごはんをほぐさずに写真撮ったことを注意されました…🤭笑


肉や魚を焼いて、たまにガパオライスを作る。それだけでも十分凄いと思っていた。



料理を始めた当初は包丁を使う料理はしないと心の中で決めていたが、肉や魚などを焼くだけでは物足りなくなった私は意を決して包丁を握ってみた。

…めちゃくちゃ後悔した。
半分泣きながら肉を切った(簡単に切れる野菜などではなく、最初から肉を選んでしまったあたりが私らしい)。

https://www.instagram.com/p/BvTnJR9AdZ9/
そろそろ鶏もも肉に飽きまして。鶏むね肉とエリンギのソテー。包丁を握るのが嫌で、泣きながら鶏むね肉を切りました。笑

これがそのときの写真。
結局切って焼いただけかよ!ってツッコミを入れたくなるが、私にとっては大きな一歩だ。



一度包丁を持ってしまえばなんてことはなく、不器用ではあるが少しずつ野菜や肉などを切れるようになってきた。また、1品作るだけでもとんでもない時間が掛かっていたが、今では1食分のご飯を全て手作りでまかなえるようになった。

https://www.instagram.com/p/BxcYuZ6gafW/
.ほうれん草の胡麻和えタケノコメンマミニトマトと卵炒めピーマンの肉詰めなすのお味噌汁.ピーマンの肉詰めってもっと難しいかと思ってたけど、簡単においしくできた〜😍✨たけのことほうれん草はちょっと味が薄くなっちゃったけど、全部おいしくできて満足です( ˶ ̇ ̵ ̇˶ ).#おうちごはん #料理初心者 #料理記録#ほうれん草の胡麻和え #ピーマンの肉詰め


まだまだ下手くそで反省ばかりな日々だが、自分で食べたいものを作れる喜びは大きい。この年齢で新しくできるようになったことが増えたのも嬉しい。
そして、家族にご飯を作らなければいけない大変さも知った。みんなえらい(?)。





今は自分が食べたいものを好きなように作っているが、いつか第三者に "美味しい" 料理を振る舞える日が来ればいいと切に願っている(そもそも私の料理を食べてくれる人はいるんだろうか)。

もし、そんな日が来た暁には自信を持ってこう言えるようになりたい。

「私は料理ができる」


おわり